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いまさらだけど黒毛和牛の値段が上がってる話 その3

2月 21, 2017 - 牛の話
いまさらだけど黒毛和牛の値段が上がってる話 その3

前回までのお話はこちら
<いまさらだけど黒毛和牛の値段が上がってる話 その1>
<いまさらだけど黒毛和牛の値段が上がってる話 その2>

その1、その2で牛の頭数が少なくなっていて、①需要>供給になっている②子牛の値段が上がっている、というお話をしました。今回は「じゃあなんでそもそも子牛の値段はこんなに高くなってしまったの?」っていうお話です。

ざっくり言ってしまうと今の日本が抱える問題と一緒です。繁殖農家の「高齢化」と「後継者不足」。
とくに繁殖農家は、農業と兼業で数頭から10頭くらいの牛を家族だけで育てるような小規模でされているところが多く、その仕事は出産の時は昼も夜もなく見回ったり、世話したりと負担が大きいです。
そんな大変な仕事なのに実際は70代が一番多く、さらには繁殖農家が多い九州や東北で起きた2010年の宮崎口蹄疫、2011年東日本震災などもきっかけで廃業する農家も増えました。実際、1995年13万戸あったものが、平成2005年には8万戸を切り、平成26年には5万戸を切るところまで減少しています。
そして、繁殖農家が減るということは生れてくる子牛の絶対数が減る。その少ない子牛を肥育農家が取り合う形になるので必然的に子牛の値段は高くなるということなんです。

で、その1、2の話に戻るのですが、肥育農家は子牛の仕入れ価格が上がってるので当然成牛の価格も上がらざるを得ない。さらに子牛の数が減る=成牛の数も減ってるので取り合いになりさらに価格が上がるという状態が続いています。じゃぁ牛肉をもっと値上げしたら解決するかというと小売店や外食店はこれ以上の値上げは売れ行きが悪くなること懸念して辛抱するか、もしくは扱い自体を止めるという選択になってきています。どちらにせよこの状態が続けば和牛は消費者の手の届かないものになるでしょうね。

牛肉の値上りからも、あらためて日本の将来を考えさせられる問題ですね。

追記:牛の妊娠期間は約280日。牛は産んで1カ月もすればすぐに次の妊娠が可能です。
牛は生後24ヶ月で母親になることができ、母牛は、10-12才ぐらいまでのあいだに7-10頭くらい子牛を産んで一生を終わります。
10頭の母牛を飼っている農家だと年間約10頭前後の出荷。以前なら年間の売上が4~500万だったことを考えるとやっぱり大変ですよね。
なので、子牛の値段が上がっている内にそれまでの分を回収して廃業するって気持ちになるのもわかります。